南米旅行2016
2016年1号目の「UNABARA」が無事に」校了し、3月25日に発売となります。今号の特集はアルゼンチン。春に発売される号で、夏気分をいっそう盛り上げて欲しいと、真夏のアルゼンチンへ行ってきました。
そもそも、なぜアルゼンチンだったのか?
その理由は一冊の写真集です。もう10年ほど前に見た菅野パンダさんの写真集「南米旅行」がインスピレーションになっています。サーフィン畑を歩んでいると、南米のビーチと聞いたときにはブラジルが浮かびます。強い選手がたくさんいて、情報量も多い。一方のアルゼンチンは、海にまつわる情報に乏しい。ところが南米大陸を歩きまわってつくられた写真集「南米旅行」では、アルゼンチンの海を紹介していて、旅ごころをくすぐられたのです。
そこに写っていたのは、およそこれまで見聞きしてきたビーチ事情とはかなり様相が違うもの。カリフォルニアやバスクのように洗練された光景ではなく、簡単にいえば「南米らしさ」とでもいうのか。あけっぴろげで、無防備に、真夏の太陽を全身に浴びてたのしむアルゼンチンの人たちが写っていたのです。
調べていくと波のあることがわかり、サーファーともつながりました。
これは面白いことになりそうだ。なにせ、北米やヨーロッパのように情報あふれる場所ではない。最小限のツテを得ながらも、その点を入口にしてどこまで世界観を広げていけるのかという勝負。
そんな気持ちがふつふつと芽生え、5年ほど前に同じようなスタンスでヨーロッパの大西洋岸を一周した相棒、写真家の高橋賢勇くんに声をかけました。さらにサーファーを登場人物に機内安全ビデオを制作したニュージーランド航空が、ブエノスアイレス線を就航させたこともひとつのきっかけです。同社が企画に賛同してくれたことが後押しとなり、僕らは真冬の1月下旬に離日できたのです。
結果は、30ページを越える大特集となっています。
東京からブエノスアイレスまで約30時間という移動の長さは、それだけで遠さを感じてしまうものと思いますが、遠い場所だからこその経験、体験というのがありました。すでに僕はホームシックのようになっていて、いつかまた、今回よりももっと長い日取りでいきたいと思っています。そう感じさせる魅力は、UNABARA2号目に描きましたので、ぜひ見てみてください。